みかんな豆知識

フルーツ魚と柑橘の関係

みかんを食べると残る皮、伊藤農園でもジュースを搾ると皮が残って出てきます。

その皮を利用してピール菓子やマーマレードを作っていますが、柑橘の皮には変わった利用法があります。

魚に、みかん??
魚に、みかん??

「フルーツ魚」って聞いたことありますか。
フルーツ魚はみかんなどの柑橘の皮や果汁を餌に混ぜて育てた魚です。
「みかんぶり」や「みかんさば」などがよく知られています。

魚に柑橘を混ぜる効果については様々ありますが、魚のえさに柑橘を混ぜるきっかけになったのはブリの褐色化を防ぐ目的でした。柚子の抗酸化作用により赤身の変色を防ぎ鮮度保持につながる効果が証明されました。

このぶりは「柚子鰤王」と名付けられ、フルーツ魚の火付け役となりました。

また、変色を防ぐことを目的に開発された柚子鰤王でしたが、変色防止以外にも柚子の香り成分のリモネンやミルセンの効果によりさっぱり感が増したり、魚の生臭さを抑える効果も発見されました。


【生臭さを抑える】
その後のフルーツ魚の開発では生臭さを抑える、柑橘の香りを加えるという点を主眼に置いて開発されるものが増えました。
餌の違いが匂いや味の違いを生むことは, 魚や家畜でもよく言われます。

有名な所で言うとスペインの「イベリコ豚」があります。
イベリコ豚でドングリを食べたイベリコ豚は「イベリコ・ベジョータ」と呼ばれイベリコ豚の中でも最高級品として扱われます。


におい抑制の方法として、 調味料や香辛料としてハーブや柑橘類をよく使用しますよね。ムニエル等は作るときにレモンなどを用いてにおいを抑制します。

それに対してフルーツ魚の取り組みは,調理時ではなく,養殖時に餌にフルーツ等を混ぜることで,魚自体の匂いを変えようとしたものです。

柑橘をえさに加えた結果、一部柑橘の香りがする魚も開発されましたが、多くは「生臭さのない」魚が多く、魚の香りが苦手な人でも食べやすいという評価をされています。

その中でも代表的なものが「みかんぶり」で大手寿司チェーン店でも提供されました。


【和歌山のフルーツ魚】
先ほどの「柚子鰤王」「みかんぶり」や話題の「みかんサバ」などは四国や九州で研究・養殖されているものが多くなっています。


和歌山は、、、和歌山にもありますよ!

四国がやはり盛んではありますが、和歌山も柑橘王国です。
その一つが和歌山県産のレモンを用いて育て高知で養殖されたレモンのぶりです。こちらも大手寿司チェーン店で提供され人気を集めました。


【資源の有効活用】
フルーツ魚は魚の変色防止、臭いを消すなどの養殖の品質向上を目的として研究がなされたものですが、結果的には農家の課題解決にも寄与しています。

残った果皮も有効活用!
残った果皮も有効活用!

伊藤農園ではジュースの搾汁率が約30%です。
つまり、柑橘の70%はジュースとして使用できないものとして残ってしまいます。それをマーマレードなどの加工品に加工して有効活用していますが、それでもまだまだ果皮が多く残ってしまうのが現状です。

これは柑橘加工品を扱う多くのメーカーが抱えている問題でもあります。フルーツ魚のような取り組みが拡大することで、山と海、お互いがwinwinの関係をきづいていけるかもしれません。